2005年12月03日
Rammstein / Rosenrot -2005-
ロシア語の次はドイツ語、何かTOPページがどんどん難解な言語で埋め尽くされていっておりますが…
カイ・ハンセン曰く「ドイツ語で歌って唯一成功しているバンド」であるRammsteinの2005年新作です。
ジャンルで言えばインダストリアルメタルに区分されるであろうこのバンドですが、もうね、
この音聴けばそんなジャンルがどうとかケツの穴の小さいことはどうでもよくなってきますよ。
間違いなく現在「世界最強」の音を出すバンドです。最強なんていうと誤解が生じるかもしれませんが
音楽性の優劣云々といった次元の低い意味合いでなくただ単純、音の持つ破壊力が並でないということ。
デビュー時からまったく変わらない、重厚かつ鋭いギターリフを基調としたミドルテンポの楽曲に
バリトンのドイツ語演説調ボーカルが乗っかる「軍隊」的世界観は是非とも体験してほしいです。
軍隊といっても「突撃ィィィィィ!!」というフットワークの軽い攻撃的なものではなく、
「冷酷非情な恐怖の鬼軍曹」といった感じの音です。すんませんアホな例えしか出来なくて。
まさにこのジャケット通りの世界です。仮にAcceptを戦車とするなら、Rammsteinは戦艦ですよ。
あまりにもクセのある音楽なので慣れるのには時間がかかると思いますが(僕も最近ようやくハマりました)
とりあえずこのアルバムの1曲目、「べんじ~~ん!」で今までにない衝撃をお約束致します。
まぁ入門には2001年の「Mutter」の方がいいかもしれませんが、このアルバムも間違いなく傑作。
ライブでのパイロ使いまくりド派手パフォーマンスも必見ですよ。もう一回来日しないかなぁ。
名盤:★★★★☆ 有名:★★★★☆ 聴易:★★★☆☆
2005年11月26日
Бони НЕМ / День Победы -2003-
|
|
ようやく、ようやく聴く事が出来ました。このБони НЕМというバンドはですね、HR/HMに限らず
世界中のありとあらゆる名曲を(やたらクオリティの高い)デスメタルでカバーしまくるという
ロシアという国に対する見方まで変わってしまいそうな強烈アホバンドなんですけれども、
そのБони НЕМが2003年、満を持してリリースしたデビュー8年目にして初のオリジナルアルバムがこれ。
まずこの人をおちょくりきったジャケットに僕の変態心は大変そそられたのですが(マサルさんみたいだ…)
その中身が何とまぁ、インダストリアル風味も覗かせる2003年最先端エキストリームメタル!
なんですから腰を抜かしましたよ。特に1曲目、これはシンフォニックブラックメタルとでも
呼べばいいんでしょうか、アルバム初めのご挨拶にしては何とも強烈過ぎる素晴らしい名曲です。
その次、この曲だけはカバーなんですが、何と同郷最大のアイドルt.A.T.u.をやってくれちゃってます。
原曲は日本では(多分)2番目に有名な"Not Gonna Get Us"という曲なんですけど、しかしまぁ
このバンドのアレンジの才能にはほんとつくづく感心させられますわ。このカバーは反則ですよ。
他にも6曲目なんかRammstein顔負けのかっちょいいインダストリアルメタルですし、9曲目は
「Chito-Glito-Malgarito」という、まるで子供の言葉遊びみたいなFinntroll級の童謡・民謡メタル。
14曲目にしてやっと登場のタイトル曲は、「勝利の日」という意味の曲名通りに勇ましい名曲なんですが、
"Radio Edit"と銘打って何とたったの20秒で終わりやがります。最後の最後でアホバンドの真髄発揮…
何とも強烈としか言いようがないデスヴォイスのボーカルが人によってはネックになるかもしれませんが
しかしまた、人によっては一生もんの経験になるかもしれない「物凄い」バンドですよこれは。
追記:どうやらやっぱりこれもカバー集っぽいです。Ariaとかやってるそうなんですけど、
何せ情報が少なすぎて何が何だか分かりませんわ…ほんとすみません。
名盤:★★★☆☆ 有名:★☆☆☆☆ 聴易:★★☆☆☆
2005年11月25日
Ария / Игра с Огнем -1989-
|
01. Что Вы Сделали с Вашей Мечтой ? ★ 02. Раскачаем Этот Мир ★ 03. Раб Страха ★ 04. Искушение ★ 05. Игра С Огнем ★ 06. Бой Продолжается ★ 07. Дай Жару ! ★ |
うん、やっぱりこっちも書いておかねば気が済まない。ロシアを代表する正統派メタルバンド、
Ariaの名作と名高い4thアルバムです。まぁ正直、路線的には先に紹介した5thとまったく同じなので
特に書くことは無いんですが…5thの紹介では「こっちのが好み」と書きましたが、それはあくまで
曲単位の話であってアルバム全体としてみた場合の完成度はやはりこちらに軍配が上がりますね。
「Iron Maidenみたいだ」とは聴いた誰もが思うことだと思いますが、決して物まね・ただのフォロワーではなく
「風格」そのものも完全にMaidenに並んでいると僕は断言いたします。正直僕はAriaのほうが好きです。
だってロシアのクラウス・マイネ、Vo.ヴァレリー・キプロフがめちゃくちゃ格好いいんですもん。
どこかのページでチラ見したことなんですが(場所忘れましたすみません)、ロシア語では
英語の「I(私)」に相当する言葉を「ヤー」と言うそうなんですね。これをメタル風に言ったらば
「ヤ"ァァァァァァァッァアアアアア!!!!!!!!」ですよ。ただ「私」って言うだけで。
クラウス・マイネにこんな絶叫されたら誰だって失禁しますやん。失禁しますやん岡村さん。
何か知名度が低いことをいいことに、あること無いことホラ吹いてると思われるかもしれませんが
まぁいいから、時間は取らせないからちょっとAriaの公式ページで1曲目だけでも試聴してきてくださいよ。
ロシア語で場所が分からない?じゃあいっちょ直リンしたるかこれですよ。2分も聞けます良心的。
正統派メタル・ハードロックファンでこのバンドを知らないのはほんともったいない。世界は広いなぁ。
名盤:★★★★★ 有名:★★☆☆☆ 聴易:★★★★☆
2005年11月21日
Ария / Кровь за Кровь -1992-
|
01. Прощай, Норфолк ! ★ 02. Зомби ★ 03. Антихрист 04. Не хочешь, не верь мне ★ 05. Кровь за кровь ★ 06. Бесы ★ 07. Всё, что было 08. Следуй за мной ★ |
ロシア語です。読めません。バンド名はアルファベットでAriaと表記するそうです。
本国のみならずヨーロッパでも高い人気を誇る大御所の正統派メタルバンドなんですが、
こと日本においての知名度はこんなもんなんですから何とも悲しいことですなぁ。
音のほうはツインリードの美しいメロディアスな正統派メタルで、ScorpionsやRainbow、
Iron Maidenなんかの影響色濃いことは一聴きで明らかなのですが、じゃあ似たバンドは?
と言われるとどうにも思いつかない、地味なのに個性的という面白い音を出しています。
特にクラウス・マイネ似のボーカリストが非常に実力者でして、ロシア語の独特の凄みまで加わる
その歌唱には心底惚れました。久し振りに本気で格好いいと思うボーカリストに出会いましたよ。
このアルバムは5作目で、一般的に(どこの一般だ)傑作といわれるのは4作目なのですが
個人的には80年代後期Maidenの翔け上がるような疾走感に破壊力も備わった本作の方が好みです。
ジャケットが酷いなんてもんじゃないほど酷いのが残念ですが、音はこんなに腐れていません。
ていうか1曲目のイントロ、何だか妙にデジャヴを感じたのでよくよく思い出してみれば
Maidenの"Deja Vu"に似てるような気がするけど格好いいからそんなこと気にしない。
(デジャヴと"Deja Vu"をかけて上手いこと言ってやった言ってやった!)
しかしまぁ毎度のことながら、これだけ書き散らしてもCDは入手困難なんですよね。
国内じゃ某天国で取り扱ってるくらいですか、この状況はニンともカンともしがたいですなぁ。
ソ連時代ならまだしも、現在ではしっかりロシアとの流通ルートも確保されてるはずなので、
我が国においてロシアンメタルの知名度が低いこの現状は、頑なにCDを入荷しないショップ
そしてこういうバンドをことごとく無視する雑誌のせいじゃ!なんて悪口も言いたくなりますわ。
(まぁWaltariでもそうですけど、バンド自身に海外・日本へ出ていく気持ちが無いんだろうなぁ)
名盤:★★★★☆ 有名:★★☆☆☆ 聴易:★★★★☆
2005年11月11日
Bullet For My Valentine / The Poison -2005-
|
|
現在雑誌で大プッシュ、巷でも話題沸騰のイギリス産メタルバンドのデビュー作。
新人?前にもこんなバンドいなかったっけ?と思えばあれはMy Bloody Valentineでした。ややこしい。
何故か僕は「新人とは思えない完成度!」なんて煽り文句でプッシュされるバンドに限って
気に食わないことが多いんですが、このバンドは素直にカッコいいと思いましたですよ。
ジャンルで言えばエモコア?スクリーモ?まったくもって僕のよう知らん世界のバンドなんですが
本人たちが思いっきり公言するとおりIron MaidenやMetallicaといったオールドメタルバンドに
影響を受けたその音はまさに2005年版NWOBHMと呼んでしまって差し支えないものかと。
ボーカルこそデス声一歩手前のハードコアシャウト&今風の若者クリーンボイスというツイン体制ですが
ツインリードのハーモニーで畳み掛ける構成はまさにMaidenやメロデス勢なんかを彷彿とさせます。
全編同じ調子でとことん突っ走るので全部同じような曲に聞こえるのが難点といえば難点ですが
ただ単純「カッコよさ」を前にして、個人的にはその点に文句を付ける気はさらさらありません。
オールドファンがMaiden云々と評判を聞いて懐古趣味で買うととんだしっぺ返しをくらいますが、
昔のバンドも最高だけど今の音楽も好んで聴くぜ!というリスナーには名盤となるでしょうね。
何か1月に来日するんだって?たまにはフレッシュなバンドも見に行ってみようかな。
名盤:★★★★☆ 有名:★★★★☆ 聴易:★★★☆☆